法定伝染病にかかったら思い出してほしいこと

普通の下痢や発熱とは違うとき

充分な体力がある場合、大流行中でもない限り、用心していれば重篤な病気はそうそうかかりません。

ひどい下痢だなあと思ってもだいたいピークは2、3日。軽い発熱もそうそう続きません。

しっかり休養をとり、適切に薬を服用してもどうも治らず、現地で病院に行ったら。

聞いたことがないような病名を告げられて青ざめた……。

法定伝染病

日本には、厚生労働省が定めた「法定伝染病」があります。

  • コレラ(cholera コーレラ)
  • 細菌性赤痢(bacterial dysentery バクテリアル ディーセンテリー)
  • 腸チフス(typhoid タイフォイド)
  • A型肝炎(hepatitis A ヘパタイティス エイ)
  • デング熱(Dengue Fever デンギ フィーバー)
  • アメーバ赤痢(amebic dysentery エイミービック ディーセンテリー)

このあたりはインドでも罹患した旅行者が比較的多いものです。

外務省の世界の医療事情「インド」にも罹患しやすい感染症や予防のための記載がありますので目を通しておくといいでしょう。




インドで治療するという選択

日本で法定伝染病と指定されている感染症にかかってしまったら。異国で病気、しかも慣れないインド。それだけで恐ろしいものです。一刻も早く帰国して日本で病院に行きたい……が人情だと思います。

そんなとき、あえて、ひとつの選択肢として考えてほしいことがあります。

インドの医療機関に入院して治療することです。

体調は最悪だし、恐ろしげな病名をいわれて、目の前が真っ暗かもしれません。けれど、都市部にいて大きな病院に行けるのであれば、そこで治療することも一案です。

一番の理由は、インドの医療機関は日本の医療機関よりも伝染病治療に慣れているためです。

2014年に日本でデング熱が流行したことがありました。一般的には、その時初めて「デング熱」という病気の名前を聞いた人が多かったはずです。医療機関でも、どのように対応すべきか戸惑いがみられました。

けれど、残念ながらインドではデング熱はたびたび流行するメジャーな感染症。細菌性赤痢やアメーバ赤痢なども同様です。インドの病院を信頼して、そこでしっかり治療してから帰国するということも、できれば一考してほしいのです。

感染症に罹患した状態で飛行機などの密閉空間で移動することで、周囲へ感染を広げてしまうリスクもあります。また、帰国後に日本の医療機関で感染が判明すると、医師には保健所への届出義務があります。つまり思っている以上におおごとになります。

もちろん自分がどうしたいかが一番優先されるべきですし、言葉や慣れない異国での入院には果てしない不安がありますし、その後の予定などもあると思います。

インドの医療機関のレベルはもちろんさまざまですが、貧富の差が大きいぶん、よい病院もありますし、素晴らしいドクターもいます。当然、注射針を使いまわしたりといった前時代的なことはしていません。

万が一、このような病気になってしまったら、このことを思い出していただければと思います。