第1条 大事なのはいのちを守ること

家に無事に帰るまでがインド

インドに限りません。どこにいても、なにをしても、一番大事なのは、いったん家を出たらまた無事に家に帰ることです。パスポートやお金の紛失や盗難も一大事には違いありません。そこから無事帰国するまでには、いろいろな人の手間を取らせることにもなります。しかし、そんなものはたいしたことはありません。

命があることが、まずなによりも大切なことです。

危険度とは

「インドって危険なんでしょう?」とよく聞かれるその「危険度」を、外務省の海外安全ホームページで見てみます。

渡航中に外務省の最新の危険情報をメールで配信してくれる「たびレジ」というツールもぜひ活用してください。

危険度は”レベル1″、「十分注意してください」その国・地域への渡航、滞在に当たって危険を避けていただくため特別な注意が必要です。

外務省 海外安全ホームページより(2016年7月29日付)

北部の国境隣接地帯を除き、ほとんどのエリアがこの「レベル1」になっています。

この「レベル1」が出ているその他の国と地域は、2017年5月現在、中南米、ロシア、中東の一部、東南アジアの一部などがあります。日本人の海外旅行先としてメジャーな北アメリカや西ヨーロッパには危険情報は出ていません。

では実際のところ、ニュースで見聞きする海外の事件・事故はどうでしょうか? 危険情報のない国や地域でも、さまざまな事件・事故が報じられていると思います。

そして旅行会社がお客様を募集して催行するいわゆる主催旅行は、「危険度1」の国や地域でも行われれています。

「危険情報がない=安全」ではありませんし、「危険度1=安全ではない」ではありません。

日本にいても、どこにいても、不運な事件・事故は起こりうるということは、皆さん納得できるところでしょう。

こちらも一読ください –>> インドを旅行される皆様へ(在インド日本国大使館)

体感としての危険度

では、インドの危険度、そして外務省の海外安全情報における「十分注意してください」とは、いったいどのようなものなのでしょうか?

ここからはあくまでも一個人の体感の話になります。「強盗・スリ・泥棒」「女性のひとり歩き」に関して、体感危険レベルを次のように設定したとします。

レベル1:真夜中に女性がひとりで問題なく歩け、落とした財布がそのまま戻ってくる

レベル10:黙って立っていても真昼間から強盗が襲ってくる

上記の範囲で10段階にレベルわけすると、インドはズバリ、全般にレベル3くらいです。

  • 夜間のひとり歩きは推奨されないが、時と場合を十分考慮し、事前に移動手段を手配しておけばできる
  • 外国人が訪れるような大きな都市で、強盗が積極的に襲ってくることは極めて考えにくい
  • 観光地や都会、中長距離列車内でのスリ、置き引きはあり得る。ただし防御を強引に解除してまでの積極さはない

これがもっとレベルの高い国や地域になるとどうなるか。

  • 集団であっても不要不急でない夜間の外出は控える
  • 大都会であっても、白昼堂々、集団でターゲットを襲い、身ぐるみ剥いでいく
  • 固定してあるチェーンなどを切ってでも荷物を奪っていく

つまりインドに関しては「ある程度の対策」をとっていることが要になります。「十分注意」していれば、防げるレベルということです。

「十分注意」の具体策

では具体的に、どう注意し対策したらよいかということを次に挙げます。

  • 夜間の外出は、往復のタクシーをホテルや旅行会社であらかじめ手配しておく
  • 外出時の荷物のなかでも重要な「携帯・財布」にチェーンと鈴をつけ、バッグや上着に固定しておく
  • パスポート・当座は不要な現金・予備のクレジットカードはホテルのセキュリティボックスに保管する(パスポートとビザは日本でカラーコピーしておき、持ち歩き用に手帳などに入れておくとよい)
  • 中長距離列車の移動時は荷物は必ずチェーンで固定する(とくにデリーからタージマハルがあるアーグラーまでのような外国人が多く乗る路線)

いかがでしょう、アメリカ・ヨーロッパでも、同じような対策をすすめられるのではないでしょうか。

実際のところ、筆者はインドでスリや泥棒の被害にあったことはありませんが、フランスやスペインではあります。

ぼったくりはビジネス

二束三文のものを高額で売りつけるような、いわゆる「ぼったくり」については、アジアや中東など正札がない商習慣の地域の広範囲にあります。ですがこの口先ひとつでお金を出させる行為は犯罪ではなくあくまでも「ビジネスである」という位置づけです。

その品物がほしい、そのサービスを受けたい。その対価をどれだけ払うのか、それは自分で考えねばなりません。

→ このあたりのお話は「ぼったくりというビジネス」にて

レイプ被害について

インドにおけるレイプ被害は、ニュースでもっとも報道されやすい事件です。これが気になっている人はとても多いと思います。

この忌むべき犯罪から身を守るために、たとえば「夜間の外出は十分な対策をする」といった具体案をとるのはもちろん重要なことです。

しかしそれ以上に「インドという国の文化背景、人々のメンタリティを理解し、ターゲットとならない行動を心がける」ということが、なによりも重要です。それはこのあとの心得でじっくりと述べていきます。

テロの可能性

最後に、もうひとつどうしても考えておきたいのが、テロの可能性です。

インドはその歴史上・地理上の立場から、常にテロの脅威に晒されている国です。日本ではほとんどニュースとして報じられることはありませんが、インドのニュースでは、またか、とうんざりするほど、大小のテロが起きている国です。

映画館やショッピングセンターの入館には荷物チェックがありますし、メトロの駅でも手荷物とボディチェックがあります。選挙が近づいたりすると警戒度も高くなります。

もし万が一、テロリストに遭遇するような非常事態に陥った場合。

呆然としていてはいけません。とにかく早い段階で一目散に逃げてください。

そして逃げるタイミングを失ってしまったならば、絶対に覚えておいていただきたいことがあります。

貴女の命があることが、まずなによりも大切なこと

ということです。これはいつなんどきも心に刻んでおいていただきたいことです。

パスポートもお金も、そんなものはどうでもいいのです。そして周囲よりも自分を優先してください。強い意志をもって、自分で自分の命を守る、そのことをぜひとも覚えておいてください。


目を通しておきたい安全情報サイト

外務省海外安全ホームページ「インド」

「たびレジ」外務省海外旅行登録

インドを旅行される皆様へ(在インド日本国大使館)

当地における主な犯罪手口とその防犯対策について(在インド日本国大使館)

在留邦人の皆様へ:『安全の手引き』(在インド日本国大使館)